AI-BORG 連続ドラマ 台本 v2(9話構成)
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この台本の考え方(v1との違い)
v1は原本の第1話(22場面・約15分)を、場面の切れ目で割っただけだった。v2は次のように設計し直した。
1. 背骨を1本通した:「触れるようになるまで、帰れない」。陣は機械の身体で、紙コップも潰す。人形も壊す。家族に触れる前に、力の加減を覚えなければならない。これが全9話の背骨で、第3話で決意になり、第9話の「手を包む」で回収する。
2. 家族の側にも物語を持たせた:咲は夫の物を隠す(靴下)。美緒は二人だけの合言葉を守る。咲が「二度目に失う」ことを怖がる気持ちを、日向の恐れ(原本の台詞)と重ねた。
3. 話の終わりを、次の話の始まりにつないだ:全9話の終わりに「引き」を置き、次の話の頭で受けた(各話の「前話からの受け」と「引き」の欄)。
4. 伏線を回収の表にした:原本の小道具(半分こ・黄色い星・靴下・靴ひも・あと五分・携帯・動画・涙・「待って」)を、仕込む話と回収する話を決めて、すべて最後の第9話までに閉じた。
5. 新規の第7〜9話を厚くした:クライマックスを「トンネルの鏡」にした。第1話で陣は三浦を押し出して自分が残った。第8話では、AIボーグが同じ形の崩落の中で、別の人を外へ出す。そして第9話は、触れる。
凡例
- 台詞の印:【既存】=原本の台詞(原文どおり)/【改】=原文を直した(元の文を併記)/【新規】=今回書いた台詞。声は同じ役の確定声で作る。
- 【既存】の再使用:原本の台詞を別の話で、わざと繰り返す場合も【既存】と書く(元の場所を併記)。
- 「▶」はト書き(映像・音)。台詞でない無言の見せ場。
- 場面の見出し:場所/時間/人物 ― 役割(前の場面から何が変わるか)。
- 原本=F:\srj\ai-borg\AI-BORG_local_pilot_v1\local_scene_plan_v1.jsonの第1話252カット(出どころは F:\srj\_codex_tasks\2026-10-17\ai_borg_episode1_dialogue_cut_v2\dialogue_cut_manifest_v2.json)。台本の元の文書(人が書いた原稿)は、探したが【未確認】。この台帳の描写・台詞を原本として扱った。
- 【推測】=原本に手がかりがなく、今回足した設定。関さんの判定で直す。
全体の線
一行で
救助隊員・黒田陣は、トンネル事故で人を助けて死んだ。一か月後、研究者・日向が神経の記録から「彼」を再び動かす。機械の身体の陣は、家族のもとへ帰りたい。しかし、紙コップも潰す手では、娘を抱けない。「触れるようになるまで」と待つうちに、過去の研究を狙う真壁が、美緒を連れ去る。陣は「娘を迎えに行きます」と出ていく。
人物と感情の線
| 人物 | 始まり | 途中の変化 | 終わり |
|---|
| 陣/AIボーグ | 死んだと告げられ、「大丈夫なわけ、ないでしょう」と怒る | 「触れない手」でも、人を助けられると知る(第4話)。それでも帰れない(第5話) | 美緒に「パパ」と言い、咲の手を包み、「ただいま」を言う |
| 咲 | 空席の朝を、靴下を隠して耐える | ニュースの機械に「分からない」と答える(第5話)。映像の手の癖に目が止まる(第7話) | 「二度目」を怖がりながら、「それでも、会わせてください」と言う |
| 美緒 | 父の携帯が「まだ鳴る?」と聞く | 機械を見て「パパみたい」と感じる(第5話)。合言葉を試す(第7話) | 二人だけの約束を、自分で破って咲に渡す |
| 日向 | 「期待させて、もう一度亡くしたと思わせることが、怖くて」 | 命令できない立場を守る(第3・7話) | 自分の口で咲に真実を告げる(第9話) |
| 真壁 | 靴ひもの判断を見て、「あれは現場を知ってる人間の判断だ」と気づく | 美緒の「パパ」で、記憶が生きていると知る(第7話) | 崩落の中で、陣に救われる(第8話) |
| 三浦 | 「黒田さんも!」と叫ぶだけだった | 「そっち、ライト」の言い回しに、体が反応する(第8話) | 陣の判断に出口まで従い、あの夜の続きを果たす |
誰が何をいつ知るか
| できごと | 陣 | 日向 | 咲 | 美緒 | 三浦 | 真壁 |
|---|
| 陣の死 | 第2話で告知 | 第1話以前 | 第1話 | 第1話 | 第1話 | 第5話(名簿の記録より)【推測】 |
| 陣の神経が機械に残った | 第2話 | 第1話以前 | 第9話で告知 | 第7話で確信 | 第8話で察する | 第5話で推測、第7話で確認 |
| 機械の救助姿が世に出る | 第4話 | 第4話 | 第5話(ニュース) | 第5話(ニュース) | 第5話 | 第5話 |
| 「パパみたい」 | — | — | 聞くが「そうだね」と流す(第5話) | 第5話で口にし、第7話で確かめる | — | — |
| 合言葉「こわいの、半分こ」の意味 | 持ち主 | 知らない | 第9話で教わる | 持ち主 | — | 第7話で目撃 |
真壁と日向の動機(手がかり)
- 原本の手がかり(真壁):救助映像を見て「靴ひもだよ」「機械は座席を切ろうとした。途中でやめた。あれは、現場を知ってる人間の判断だ」と言う。「名簿の陣と咲の連絡先」を持つ。「研究所へ入れない」「通信で中身を抜くこともできない」。そして「こっちは、まだ使える」と、古い整備台(頸部と四肢の固定具)を示す。
- 【推測】足した設定(真壁):真壁は、神経保存プロジェクトを始めた元の開発責任者。研究所から外され、研究は日向の手に移った。彼は「現場の判断」を取り出して複製し、他の機械にも入れたい。第5話の「俺が作った。取り上げられただけだ」は、この推測を台詞にしたもの。
- 原本の手がかり(日向):「これまで再構成した信号は、数分で崩れていました。期待させて、もう一度亡くしたと思わせることが、怖くて」。「助けられたのか、別のものを作ってしまったのか……まだ分かりません」。「通信は音声だけです。あなたの判断に、外から命令を書き込むことはできません」。
- 【推測】足した設定(日向):過去に、家族へ知らせた被験者がいた。信号が崩れて、家族を二度、悲しませた。第2話に、その記録の机の一コマだけを足してある(台詞では説明しない)。
第1話「二十三時十八分」
- 目的:陣が「人を助ける人」で、「家族を思う人」だと見せ、その死を刻む。
- 障害:崩れ続けるトンネル。
- 転換点:梁が落ち、陣が三浦を押し出して、ひとり残る。
- 引き:同じ夜に咲が「先に寝てて」を読んで笑う場面と、一か月後の空席の朝のあと、暗い研究施設で、金属の指が一本ずつ開く。
- 前話からの受け:なし(第1話)。
- 掴み:完全な黒と、呼吸だけ。結末(暗闇の中の陣)を先に見せ、「この人はどうなるのか」で引っ張る。
1-1 暗闇(場所不明)/時間不明/陣(声と呼吸のみ) ― 結末を先に見せる
1▶ 完全な黒。陣の浅い呼吸だけ。
2▶ 低い落石音。呼吸が止まりかけ、無音。
3▶ 暗転のまま、ヘルメットの警告音。タイトル「AI-BORG」は編集で後置。
1-2 山間の崩落トンネル内部/夜・雨 21:52/陣・三浦・運転手 ― 陣の現場の判断と人柄が分かる
4▶ 字幕「21:52」。トンネル入口と横転車。粉塵の中でヘルメット灯が点く。
5三浦「上、また動いてます。いったん引きましょう」【既存】
6▶ 三浦のライトが梁の亀裂を走る。
7陣「右足が抜ければ出せる。そっち、ライト」【既存】
8▶ 運転手の足と陣の手。
9▶ 陣が運転手の前にしゃがみ、ヘルメットを外して、耳を近づける(声が聞こえないとき)。【間3秒】
10陣「聞こえますか。聞こえたら、まばたきを」【新規】
11▶ 運転手のまばたき。
12運転手「妻に……電話を」【既存】
13▶ 運転手の胸元の携帯に、妻のメッセージ。
14陣「外へ出たら、ご自分で。今は俺を見てください」【既存】
15▶ 陣のヘルメット内で、小さな通知音。
16機械音声「咲さんから。『今日、先に寝てていい?』」【新規】
17陣「了解。先に寝てて」【既存】
18▶ 返信が、送られる。
19陣「取れた! 三浦、出口まで!」【既存】
20▶ 運転手を引き出し、三浦と出口へ。梁が落ち、陣が三浦を押し出す。ライトが振れて、暗転。
21三浦「黒田さんも!」【既存】
1-3 トンネル内部〜出口の救護地点/夜・雨 23:18/陣・三浦・医療隊 ― 死。「先に寝てて」が最後の言葉になる
22▶ 暗闇。倒れた携帯の画面に、送信済みの「了解。先に寝てて」。そのそばに、家族写真。
23三浦の声「黒田さん! 黒田さん!」【既存】
24▶ ヘルメット内の生体反応の表示が、細っていく。
25機械音声「生体反応、低下。緊急神経保存を開始します」【既存】
26▶ 救助隊が搬出する。雨と無線。医療隊が蘇生を試みる。その手が止まる。
27医療隊員「二十三時十八分。死亡確認」【既存】
28▶ 字幕「23:18」。
29▶ 救護シート。ヘルメットの内側の保存灯だけが、青く点滅する。
1-4 黒田家・台所/同じ夜 23:18/咲 ― 同じ時刻、家で。「先に寝てて」が届く
30▶ 食卓に伏せた携帯。画面に、陣からの「了解。先に寝てて」。
31咲「了解、だって。……先に寝てて、か」【新規】
32▶ 咲が小さく笑い、電気をひとつ消す。玄関の灯りだけ、残す。壁の時計、23:18。【間3秒】
1-5 黒田家・台所と居間/一か月後の朝/咲・美緒 ― 死んだあとも続く朝。空席が、家の中にある
33▶ 字幕「一か月後」。弁当箱を閉じる咲。
34咲「貸して。つけるから」【既存】
35美緒「いい。自分でできる」【既存】
36▶ 食卓の空席と、椅子の背にかかったままの上着。美緒の手にある、黄色い星。
37▶ 咲が美緒の髪を、低い一つ結びにとかす。手が、一度止まる。【間3秒】
38美緒「これ、パパが買ったんだよね」【既存】
39咲「サービスエリアで。美緒が寝てる間に」【既存】
40美緒「なんで起こしてくれなかったんだろ」【既存】
41咲「……起こすと怒るでしょ」【既存】
42美緒「怒んないのに」【既存】
43美緒「パパの携帯、まだ鳴る?」【既存】
44咲「鳴らないよ」【既存】
45美緒「動画は?」【既存】
46咲「動画は、ある。帰ったら見ようか」【既存】
47▶ 美緒が空席を振り返る。
1-6 研究施設・暗室/夜/日向・陣の機体 ― 引き。止まっていたものが、動き出す
48▶ 青い光だけの暗室。端末の表示「再構成:4時間12分/信号:安定」。
49日向「……崩れないで」【新規】
50▶ 大きな金属の指が、一本ずつ、ゆっくり開く。【間4秒】暗転。
第2話「再起動」
- 目的:目覚めた陣が、自分が何者かを知る。
- 障害:自分は死んでいること。機械の身体。日向の「家族にはまだ」。
- 転換点:陣が「それを決めるのは、あなたじゃない」と、日向に返す。
- 引き:「帰れますか」「この部屋を歩けるかどうかからです」。夜、陣の「夢は、いりません」と、家の「パパ、夢に出てくるかな」「……出てくるよ」が重なって終わる(次話の夢=回想へ)。
- 前話からの受け:金属の指が開く(1-6)。第2話は、その続きから始まる。
2-1 研究施設・起動室/昼(事故から31日目)/AIボーグ・日向 ― 目覚め。最初に知るのは「自分が人ではないこと」
51▶ 大きな手が開く。金属の指、センサーの動き。
52▶ 机の上に、あのヘルメット。内側の保存灯は、もう消えている。
53日向「私の声が聞こえますか」【既存】
54▶ 視界が水平に補正される主観。防護壁の向こうに、日向。
55日向「名前を言えますか」【既存】
56AIボーグ「黒田、陣」【既存】
57AIボーグ「三浦は。車の人は」【既存】
58日向「二人とも助かりました」【既存】
59AIボーグ「そうですか」【既存】
60▶ 胸が動かない。肩、首、顔に触れる。
61AIボーグ「……包帯は?」【既存】
62▶ 日向の沈黙。
2-1b 同じ部屋/同じ日/AIボーグ・日向 ― 身体の確認。「癖」の仕込み
63▶ AIボーグが、右手を持ち上げる。装甲の指が、ぎこちなく開閉する。【間3秒】
64AIボーグ「俺の腕は」【新規】
65日向「右は、機体のものです。左は、まだ調整中です」【新規】
66▶ 左手が、握っては、ゆっくり開く動きを、繰り返す。
67日向「それは、プログラムしていません」【新規】
68AIボーグ「……癖です」【新規】
2-2 同じ部屋/同じ日/AIボーグ・日向 ― 死の告知。陣が「帰る」と言い出す
69▶ 遮光が開く。ガラスに、機械の顔が映る。
70AIボーグ「鏡を、ください」【既存】
71日向「大丈夫。動かなくていいです」【既存】
72AIボーグ「大丈夫なわけ、ないでしょう」【既存】
73▶ 後ずさりして、椅子を飛ばす。警告音。日向が止める。
74▶ AIボーグが、自分の拳を見つめる。【間3秒】
75日向「黒田さんは、事故の夜に亡くなりました」【既存】
76AIボーグ「じゃあ、俺は何をしてるんですか」【既存】
77日向「ヘルメットは、救助装置と脳をつなぐためのものでした。事故の後も、あなたの神経の状態が記録装置に残っていました」【既存】
78AIボーグ「録音ですか。これは」【既存】
79日向「録音なら、私の質問には答えられません」【既存】
80日向「消えていく信号を、AIでつなぎました。助けられたのか、別のものを作ってしまったのか……まだ分かりません」【既存】
81AIボーグ「咲に、連絡を」【既存】
82日向「ご家族には、まだ」【既存】
83AIボーグ「何日たった」【既存】
84日向「三十一日です」【既存】
85AIボーグ「一か月……」【既存】
86日向「これまで再構成した信号は、数分で崩れていました。期待させて、もう一度亡くしたと思わせることが、怖くて」【既存】
87AIボーグ「それを決めるのは、あなたじゃない」【既存】
88▶ 立ち上がろうとして崩れる。もう一度、手すりをつかんで立つ。
89日向「はい」【既存】
90AIボーグ「帰れますか」【既存】
91日向「今は、この部屋を歩けるかどうかからです」【既存】
2-3 研究施設・記録室/同じ夜/日向 ― 日向の恐れの理由を、台詞なしで見せる
92▶ 机の引き出し。過去の被験者の記録が、三つ。そのうち一つの表紙に、赤い印。「家族へ連絡済」。
93▶ 日向が引き出しを閉める。画面の隅に、陣の記録の表示。「安定」。
2-4 研究施設・個室/夜/AIボーグ・日向 ― 夜。眠ることと、夢
94▶ 窓の外の街の灯り。AIボーグが、ガラスに手を当てる。拳を作ろうとして、できない。【間3秒】
95日向「無理は」【新規】
96AIボーグ「眠れますか。俺は」【新規】
97日向「眠る機能は、あります。夢は、保証できません」【新規】
98AIボーグ「夢は、いりません」【新規】
99▶ 日向が出ていく。AIボーグが、一人で窓の灯りを見る。
2-5 黒田家・子供部屋/同じ夜/咲・美緒 ― 同じ夜、家で。「夢」
100▶ ベッドの美緒。枕元に、黄色い星。咲が布団を直す。
101美緒「パパ、夢に出てくるかな」【新規】
102咲「……出てくるよ」【新規】
103▶ 咲が電気を消す。廊下の灯りが、細く差す。【間3秒】
第3話「触れない手」
- 目的:触れるようになること(家に帰るために)。
- 障害:力の加減ができない。身体が機械であること。日向の恐れ。
- 転換点:人形を壊さずに抱けた瞬間、二人だけの合言葉の記憶が戻る。陣は「触れるようになるまで、待ってほしい」と決める。
- 引き:陣が「待ってもらえますか」と言う。切り替わって、咲が「ちょっと待って」と言う。
- 前話からの受け:「歩けるかどうかから」。第3話は、歩行訓練から始まる。
3-1 研究施設・調整室/数日間/AIボーグ・日向 ― 立つ、歩く。身体が思うように動かない
104▶ 手すりのある調整室。最初の一歩。
105日向「体重のかけ方が違います。右の表示を見て」【既存】
106AIボーグ「歩くのに数字を読むんですか」【既存】
107▶ 別の日。廊下で重心を崩す。
108日向「慣れるまでは」【既存】
109▶ 日向が見守る。陣がもう一歩。
110AIボーグ「家に帰ったら、何も触れないな」【既存】
111▶ 床に残る、わずかなへこみ。
112日向「触れるようにします」【既存】
3-2 黒田家・洗面所/朝/咲 ― 家族の側。咲が「陣のもの」を隠す(3-6へ続く)
113▶ 玄関で、美緒が空席へ。美緒「行ってきます」【既存】(返事はない)。
114▶ 咲が洗濯かごから、陣の靴下を見つける。
115▶ たたみかけて、やめて、顔に押し当てる。息がつまる。
3-3 研究施設・訓練室/別の日/AIボーグ・日向 ― 触れない手が、物を壊す
116▶ 紙コップをつぶし、水がこぼれる。
117日向「休みますか」【既存】
118AIボーグ「続けてください」【既存】
119▶ 別のコップ。つかめるが、置くと底が抜ける。
120日向「持つより、置くほうが、難しいんです」【新規】
121AIボーグ「分かります」【新規】
122AIボーグ「涙みたいですね」【既存】
123日向「目を守る液です。砂や傷を検知したときに出ます」【既存】
124AIボーグ「泣くことは」【既存】
125日向「そういう反応は、組んでいません」【既存】
126▶ 布の人形を受け取る。強すぎる力、警告、やり直し。
127日向「通信は音声だけです。あなたの判断に、外から命令を書き込むことはできません。ご家族のことも含めて、中の記憶を私が検索することも」【既存】
128AIボーグ「あなたにも?」【既存】
129日向「私にも」【既存】
130AIボーグ「……そのままにしておいてください」【既存】
131▶ 日向が、わずかに目を伏せる。【間2秒】
3-4 研究施設・個室/夜 + 夢(事故の半年前・停電の夜・黒田家の子供部屋)/AIボーグ・陣・美緒 ― 夢が、合言葉の記憶を呼ぶ
132▶ 夜。人形を壊さずに抱いたまま、AIボーグがスリープに入る。遠雷。【間3秒】
133▶ 夢(回想)。停電の夜。子供部屋、布団の中の美緒。懐中電灯の蓄光の星。
134美緒「パパは、こわくないの?」【既存】
135陣「こわいよ」【既存】
136美緒「うそ。自衛隊だったじゃん」【既存】
137陣「こわくない人しか入れないんなら、パパ、入れなかったな」【既存】
138陣「こわいの、半分こ。大きいほうは、パパ」【既存】
139美緒「半分なのに、大きいの?」【既存】
140陣「そこは、おまけ」【既存】
141美緒「ママにも、やってあげる?」【既存】
142陣「うん。帰ってきたら」【既存】
143美緒「でも、この言い方は、二人だけのね」【既存】
144陣「分かった。二人だけ」【既存】
145▶ 雷に肩が跳ねる美緒。陣が手を包む。その手が、金属の指へ重なる(マッチカット)。
3-5 研究施設・訓練室/同じ夜/AIボーグ・日向 ― 陣が決める。「触れるまで、会わない」
146AIボーグ「日向さん。咲には、まだ連絡しないでください」【新規】
147日向「いいんですか。あなたは、あのとき」【新規】
148AIボーグ「触れるようになるまで。……待ってもらえますか」【新規】
149▶ 日向がうなずく。人形の手が、そっと開く。
3-6 黒田家・玄関/朝(3-2と同じ朝)/咲・美緒 ― 引き。同じ「待って」が、別の場所で言われる
150▶ 玄関が開く。
151美緒「ママ、給食袋!」【既存】
152▶ 咲が、靴下を洗濯かごの下に隠す。
153咲「はいはい。ちょっと待って」【既存】
第4話「最初の救助」
- 目的:陣が、「触れない手」でも人を助けられるか。
- 障害:歩くのも危うい身体。炎。狭い車内。男の子の足に絡んだ靴ひも。
- 転換点:切らずに、ほどく。陣が、自分の判断で動く。
- 引き:取材のカメラが、すべてを撮っていた。
- 前話からの受け:「待ってもらえますか」の続き。陣は、まだ家に帰れないまま、外へ出る。
4-1 研究施設の搬送車・荷室/昼(一週間後)/AIボーグ・日向 ― 外を見る日。予定外の事故に遭う
154▶ 字幕「一週間後」。搬送車の荷室。窓の外を、初めて見る。街の音。子供たちの声。【間4秒】
155日向「今日は、見るだけです。外の音と、人を」【新規】
156AIボーグ「人が、多いですか」【新規】
157▶ 窓の外を、ランドセルの子供が通る。AIボーグの視線が、少し追う。
158▶ 急ブレーキ。
159日向「屋外での救助は、まだ」【既存】
160▶ 窓の外。横転したトラック、バス、落ちた鋼材。窓をたたく乗客、後部の煙。
161AIボーグ「何人います」【既存】
162日向「前方に六人。後ろは見えません」【既存】
163日向「命令は、できません。でも、止めます」【新規】
164AIボーグ「止まりません」【新規】
165日向「怖くないんですか」【新規】
166AIボーグ「こわいです。でも、中に人がいる」【新規】
4-2 港の道路・事故バスの入口/昼/AIボーグ・交通整理員・女性・日向の声 ― 歩けない身体で、外へ出る
167▶ AIボーグが固定具を外し、車外へ。搬送車の足場に、金属の足が降りる。路面の熱と煙。【間3秒】
168AIボーグ「車を止めてください。救急車の道を一本、空けて」【既存】
169▶ 最初の数歩が崩れる。車に手をついて立て直す。
170AIボーグ「歩ける人から。荷物はそのまま」【既存】
171女性「奥に、まだ男の子が!」【既存】
172▶ 歪んだバスのドア。内側から、悲鳴。
173日向の声「消防、到着まで三分」【既存】
174▶ 力を緩め、足で支えながら、隙間を広げる。
175AIボーグ「その前に出します」【既存】
4-2b 搬送車の荷室/同じ救助現場/日向 ― 日向は、声しか出せない
176▶ 搬送車の中。日向が、端末の画面で、AIボーグの荷重の表示を見ている。
177日向の声「左足、右へ。重心を、落として」【新規】
178AIボーグの声「見てます。数字、読んでます」【新規】
179▶ 日向の手が、キーボードの上で、止まる。何も、書き込めない。【間3秒】
4-3 事故バスの車内/同じ救助現場/AIボーグ・男の子 ― 靴ひもが、足を座席に縛っている
180▶ 煙の中、倒れた座席と少年の足。避難経路の表示。
181男の子「お母さんは」【既存】
182▶ AIボーグが目線を合わせる(かがむ)。
183AIボーグ「外で待ってる。足、動かせる?」【既存】
184▶ 座席の根元に絡む靴ひも。切断器具に手をかける。やめる。切らずにほどくと決め、装甲の指を差し入れる。
185男の子「こわい」【新規】
186AIボーグ「俺も、こわいです」【新規】
4-4 事故バスの車内〜非常口/同じ救助現場/AIボーグ・男の子・母親・日向 ― 触れない手が、一本のひもをほどく
187▶ 指がひもをつまめない。一度、やり直す。
188AIボーグ「走って!」【既存】
189▶ 力を落として、靴ひもがほどける。燃料に火が回る。
190母親「ありがとうございます。もう、大丈夫です」【既存】
191▶ 左腕の保護板が開き、少年を包む。火花とガラス。
192AIボーグ「……はい」【既存】
193▶ 非常口を押し開き、少年を抱えて脱出。
194男の子「名前は?」【既存】
195日向「AIボーグ。救助をする人です」【既存】
196▶ 傾くバスを支え、運転手に走るよう叫ぶ。最後の人が離れて、車体を下ろす。母子に少年を返す。
197男の子「つめたい」【新規】
198AIボーグ「ごめん」【新規】
199男の子「ううん。でも、ぎゅって、してくれた」【新規】
200男の子「ありがとう、アイボーグ」【既存】
201AIボーグ「足、ちゃんと診てもらって」【既存】
4-5 道路脇→搬送車の荷室/夕方/日向・AIボーグ・取材クルー ― 引き。この姿が、世に出る
202▶ 規制線の向こうに、取材クルーのカメラ。レンズが、AIボーグを向いている。
203日向「映像が、出ます」【新規】
204AIボーグ「出たら、誰かに届きますか」【新規】
205日向「……届きます」【新規】
206▶ 荷室。AIボーグが座り込む。装甲の隙間から、蒸気。【間3秒】
207日向「休みますか」【既存】(第3話3-3の再使用)
208AIボーグ「はい」【新規】
209▶ 取材ヘリのレンズ。画面が暗くなる。
第5話「パパみたい」
- 目的:世間に姿が知られることで、家族にも、敵にも届く。
- 障害:咲が「分からない」と答えるしかないこと。陣が「会いたい」と「会えない」の間にいること。
- 転換点:真壁が、救助映像から「現場を知ってる人間の判断」を見抜く。
- 引き:真壁の「自分で来てもらう」。
- 前話からの受け:取材のレンズ(4-5)。第5話は、そのニュース映像が、咲の家のテレビに映るところから始まる。
5-1 黒田家・居間/救助当日の夕方/咲・美緒 ― 母娘がニュースを見る。美緒だけが、先に気づく
210▶ 夕方の居間(普通の洋室)。ソファに並ぶ咲と美緒。美緒が足を揺らす。咲は洗い物の手を止めない。【間3秒】
211▶ テレビのニュースに、救助の映像。
212美緒「ママ、ロボット」【既存】
213美緒「パパみたい」【既存】
214▶ 画面の中のしゃがむ姿。
215美緒「パパも、ああやってしゃがんでた。声が聞こえないとき」【既存】
216咲「……そうだね」【既存】
217▶ 咲が手を止め、美緒の横へ。
218美緒「これがいたら、パパは死ななかった?」【既存】
219咲「分からない」【既存】
220▶ 二人で、救助された母子を見る。
221▶ 画面の中で、救助を終えたAIボーグが、握った手を、ゆっくり開く。咲が、一瞬、目を細める。【間3秒】
222美緒「作るの、遅いよね」【既存】
223咲「……うん」【既存】
224▶ 美緒と咲の視線。静かな余韻。
225美緒「この子のお母さん、よかったね」【既存】
226咲「うん。よかった」【既存】
227▶ 美緒が、ソファで寝入る。咲が毛布をかけ、台所の引き出しを開ける。【間2秒】
228▶ 陣の携帯。電源を入れる。画面に、家族写真。通知は、ゼロ。
229咲「……鳴らない」【新規】
5-2 研究施設・暗室/同じ夜/AIボーグ・日向 ― 陣が、自分の家族の映像を見る
230AIボーグ「日向さん。家族の動画が、ありますか」【新規】
231日向「事故の携帯に、残っていました。……見ない方が」【新規】
232AIボーグ「見たい」【新規】
233▶ 古い家族動画が、暗室に再生される。
234美緒の声(映像)「パパ、おはようって言って」【既存】
235▶ 映像の中の陣。寝ぼけ顔。
236陣の声(映像)「……あと五分」【既存】
237咲の声(映像)「いつも五分じゃん」【既存】(元:美緒の笑い声に続く咲の台詞)
238▶ 美緒の笑い声。AIボーグの動きが止まる。画面に、AIボーグの機械の顔が重なる。
239AIボーグ「俺は、毎朝、あと五分って言ってたんですね」【新規】
240日向「映像では」【新規】
241AIボーグ「あと五分じゃ、足りなかった」【新規】
242▶ 温かい動画の光と、冷たい装甲の対比で切る。
5-3 研究施設・訓練室/翌朝/AIボーグ・日向 ― 触れる力が、少しだけ戻る
243▶ 台の上に、卵が一つ。
244日向「卵です」【新規】
245AIボーグ「割れますか」【新規】
246日向「割れます」【新規】
247▶ 金属の指が、卵を持つ。力が入り、緩む。割れない。【間4秒】
248AIボーグ「……割れません」【新規】
249日向「はい」【新規】
5-4 廃止された港湾整備棟/夜/真壁・部下 ― 敵が、救助映像から「中身」を見抜く
250▶ 廃整備棟の中。モニターに、救助映像。
251部下「腕の出力ですか」【既存】
252真壁「靴ひもだよ」【既存】
253真壁「機械は座席を切ろうとした。途中でやめた。あれは、現場を知ってる人間の判断だ」【既存】
254部下「……真壁さんの、プロジェクトですか」【新規】
255真壁「俺が作った。取り上げられただけだ」【新規】
256▶ 机の上の名簿。黒田陣と、黒田咲の連絡先。
257部下「中へ入れますか。今の研究所」【既存】
258真壁「入れない。通信で中身を抜くこともできない」【既存】
259真壁「こっちは、まだ使える」【既存】
260▶ 古い整備台。頸部と四肢の固定具。
261部下「どうやってここまで」【既存】
262▶ 学校の門を出る美緒の写真。ランドセルの黄色い星。
263部下「娘が、いるんですね」【新規】
264真壁「八歳だ」【新規】
265真壁「自分で来てもらう」【既存】
第6話「通学路」
- 目的:陣が、家族に会う覚悟を決める。
- 障害:その決意の日に、美緒が連れ去られる。
- 転換点:「娘を迎えに行きます」。陣が、待つことをやめる。
- 引き:陣が相談室を出る。
- 前話からの受け:真壁の「自分で来てもらう」。第6話は、その計画が動き出した通学路から始まる。
6-0 黒田家・玄関/朝/咲・美緒 ― 何でもない朝(このあと失われる)
266▶ ランドセルを背負う美緒。黄色い星が揺れる。
267咲「ハンカチ。持った?」【新規】
268美緒「持った。ママ、今日、早く帰れる?」【新規】
269咲「たぶん。夕ごはん、一緒に食べよう」【新規】
270美緒「うん。行ってきます」【新規】
271▶ 咲が、玄関で見送る。【間2秒】
6-1 小学校からの通学路/同じ日の夕方/美緒・見守り係 ― 日常が、ずれる
272▶ 友達と別れる美緒。夕方の通学路。ランドセルの黄色い星。
273友達「また明日ね、美緒ちゃん」【新規】
274美緒「またね」【新規】
275▶ 見守り係と、交通量のある道。
276▶ 黒いワゴンが、歩道へ寄る。
277▶ 美緒が距離を取り、見守り係へ向きを変える。
6-2 通学路・路地の入口/同じ夕方/美緒・男たち・見守り係 ― 連れ去り
278▶ 男が、美緒へ声をかける。
279男「お父さんのことで、警察の人が待ってる。来てくれるかな」【新規】
280美緒「パパの……?」【新規】
281▶ 美緒が一歩、近づきかけて、止まる。【間2秒】
282▶ 別の男が、背後から腕をつかむ。美緒が抵抗する。
283美緒「離して!」【既存】
284▶ 黄色い星が、濡れた路面へ落ちる。
285▶ 見守り係が走る。クラクション。車の急発進。
286見守り係「子供が! 警察! 警察を!」【既存】
6-2b 病院の廊下/同じ夕方/咲・同僚 ― 約束の日に、電話が鳴る
287▶ 白衣の咲。【間2秒】
288同僚「黒田さん、今日は上がっていいよ」【新規】
289咲「ありがとうございます。娘と、夕ごはんの約束なので」【新規】
290▶ 咲の携帯が鳴る。
291警察の声「黒田咲さんですか。娘さんのことで」【新規】
292咲「……え」【新規】
293▶ 携帯が、手から落ちる。【間3秒】
6-2c 研究施設・廊下/同じ夕方/AIボーグ・日向 ― 「誰が伝えるか」
294日向「会う前に、私からご連絡します。お二人を、驚かせないように」【新規】
295AIボーグ「それは、俺が言います」【新規】
296日向「でも」【新規】
297AIボーグ「あなたに、言わせたくないんです」【新規】
298▶ 日向が、言葉に詰まる。彼女の、恐れ。【間2秒】
6-3 研究施設・家族相談室/同じ夕方〜夜/AIボーグ・日向 ― 会う覚悟を決めた日に、電話が来る
299▶ 三人分の椅子。AIボーグが、一人で立っている。
300日向「もう、人形は壊しません。ご家族に、お会いになりますか」【新規】
301AIボーグ「最初に、何と言えばいいですか」【既存】
302日向「決めておかなくても」【既存】
303▶ 日向の端末に、非通知の映像通話。美緒の姿。
304AIボーグ「決めておかないと、何も言えなくなりそうで」【既存】
305AIボーグ「美緒」【既存】
306▶ 画面の向こうの真壁の声。
307真壁の声「覚えてるんだな、黒田」【既存】
308▶ AIボーグの拳が机を握りかけ、力を抜く。
309真壁の声「整備棟の場所を送る。警察は勝手に探せばいい。ただ、お前が来なければ、この子は帰らない」【既存】
310美緒「ママに、電話させて」【既存】
311▶ 切り替わり。病院の廊下。咲の携帯に、非通知の着信。咲が出る。
312咲「美緒? 美緒!」【新規】
313美緒「ママ、待ってるから」【既存】
314咲「どこにいるの」【新規】
315▶ 通話が切れる。研究施設に戻る。
316AIボーグ「日向さん。警察に、今の映像を」【既存】
317▶ 通信機を装着する。端末とシアンの目を切り返し、黒。
318日向「あなたは」【既存】
319AIボーグ「娘を迎えに行きます」【既存】
第7話「整備棟」
- 目的:美緒を取り戻す。
- 障害:罠。部下たち。真壁の取引(装置に座れ)。
- 転換点:美緒が合言葉で「確かめる」。陣が答える。そして、自分から装置に座る。
- 引き:固定具が閉じ、装置のランプが赤に変わる。
- 前話からの受け:「娘を迎えに行きます」。第7話は、警察署の咲と、夜道を走る陣の二つで始まる。
7-1 警察署・捜査課/夜/咲・石田・日向 ― 咲が、映像の「機械」を初めて近くで見る
320▶ 咲が、蒼白で入ってくる。石田(刑事)が端末を向ける。
321咲「美緒は。美緒は、無事なんですか」【新規】
322石田「映像の背景から、港の廃整備棟とみられます。突入の準備に、一時間かかります」【新規】
323咲「一時間……」【新規】
324石田「犯人の要求は、研究所の機械が、一人で来ること。向こうは、見ています」【新規】
325▶ 端末の映像(第6話の通話の録画)。画面の端で、AIボーグが拳を握りかけ、手を、ゆっくり開く。
326▶ その手の動きに、咲の目が止まる。
327咲「この機械は、味方なんですか」【新規】
328日向「はい。娘さんを、迎えに行きました」【新規】
329咲「どうして」【新規】
330日向「……約束だから、です」【新規】
331咲「私も行きます」【新規】
332石田「危険です。ここで、待ってください」【新規】
333咲「待つのは、もう」【新規】
334▶ 咲が、言葉を飲む。【間2秒】
7-2 港への夜道/雨/AIボーグ・日向の声 ― 陣は走る。命令でなく、自分の判断で
335日向の声「警察は一時間後です。待つこともできます」【新規】
336AIボーグ「一時間は、長いです」【新規】
337日向の声「私は、命令できません。あなたの判断です」【新規】
338AIボーグ「分かってます。……聞いていてください」【新規】
339日向の声「石田刑事に、位置を送りました。止められるかもしれません」【新規】
340AIボーグ「止められても、行きます」【新規】
341▶ 雨の中、金属の足が、水たまりを踏み抜く。体勢を崩し、手をつく。立つ。【間3秒】
342▶ 濡れた路面。美緒が連れ去られた場所。落ちたままの黄色い星。
343▶ AIボーグが、金属の指で、小さな星をつまむ。壊さない。胸の装甲の内側へ、そっとしまう。
7-3 廃止された港湾整備棟・入口〜通路/夜/AIボーグ・部下ふたり ― 力を見せ、殺さない
344部下「本当に、一人で来た」【新規】
345▶ 部下が工具を振る。AIボーグが、黒い装甲を展開する(既存OK素材の「変身」カット)。
346AIボーグ「動かないでください。骨が折れます」【新規】
347▶ 殴らず、押さえ込む。力を落とす(靴ひもをほどく指)。部下が崩れる。
348▶ 通路の奥から、もう一人。AIボーグが、振られた工具を指で挟んで止める。【間3秒】
349▶ 部下が、スタンロッドを背中に当てる。火花が、装甲を走る。AIボーグの指が、一瞬、痙攣する。【間3秒】
350部下「化け物か」【新規】
351AIボーグ「救助をする人です」【改】(元:日向「AIボーグ。救助をする人です」第4話4-4。言う人を日向からAIボーグ自身に変えた)
7-4 廃整備棟・奥の整備室/夜/AIボーグ・真壁・美緒 ― 取引。美緒が、合言葉で確かめる
352真壁「本当に来るとはな、黒田」【新規】
353AIボーグ「美緒を返してください」【新規】
354真壁「靴ひもを、切らずにほどいた。あの判断が、機械の中にある。俺は、それが欲しいだけだ」【新規】
355真壁「年に、何人の現場が判断を誤る。お前の判断は、何人を救える」【新規】
356AIボーグ「俺は、一人ずつです」【新規】
357真壁「だから、増やすんだ」【新規】
358AIボーグ「欲しいなら、言えばよかった。子供を使う前に」【新規】
359真壁「そこに座れ。座れば、子供は帰す」【新規】
360AIボーグ「先に、美緒を」【新規】
361▶ 毛布をかけた美緒が、椅子から立つ(縛られていない)。部下が、出口へ連れていく。
362美緒「ロボット……」【新規】
363▶ 美緒が、立ち止まって振り返る。
364美緒「パパみたい」【既存】(第5話5-1の台詞の再使用)
365美緒「こわいの、半分こ。大きいほうは、だれ?」【改】(元:陣「こわいの、半分こ。大きいほうは、パパ」を、問いかけに変えた)
366AIボーグ「……パパ」【新規】
367美緒「やっぱり」【新規】
368▶ 美緒が、部下に連れられて去る。
369AIボーグ「ごめん。二人だけって、言ったのに」【新規】
370▶ AIボーグが、固定装置の前に立つ。自分から、座る。頸部と四肢の固定具が、閉じる。
371真壁「……記憶が、生きているのか」【新規】
372▶ 装置のランプが、赤に変わる。
第8話「崩れる」
- 目的:生きて出る。全員を、出す。
- 障害:作動する装置。老朽化した建物が崩れる。真壁の脚が挟まれる。
- 転換点:陣が、固定具を壊さず、一つずつほどく。そして、第1話と同じ形の崩落で、今度は「出口まで」を果たす。
- 引き:美緒が咲に言う。「ママ。あれ、パパ」。
- 前話からの受け:固定具が閉じる(7-4)。第8話は、装置が動き出すところから始まる。
8-1 廃整備棟・整備室/夜/AIボーグ・真壁・日向の声 ― 装置の中で、陣が「壊さない」と決める
373真壁「中身を、見せてもらう」【新規】
374▶ 装置が、AIボーグの神経に触れる。日向の端末に、信号の乱れ。【間3秒】
375日向の声「信号が、削られています。数分で、崩れます」【新規】
376AIボーグ「数分あれば、足ります」【新規】
377日向の声「通信、戻ります。聞こえますか」【新規】
378AIボーグ「聞こえます」【新規】
379日向の声「私は、命令できません。あなたが決めてください」【新規】
380AIボーグ「決めてます」【新規】
381▶ AIボーグが、固定具を壊さず、指で一つずつ、ほどく(靴ひもの手つき)。
382▶ まず右手。次に左手。首の固定具だけが、残る。【間4秒】
383真壁「何をしている。力ずくで外せるだろう」【新規】
384AIボーグ「壊すと、あなたごと壊れます。この建物は、古い」【新規】
385▶ 天井から、細かい粉が落ちる。
8-2 廃整備棟の前/夜/咲・美緒・石田・三浦・救助隊 ― 外。美緒が戻る。三浦が「あの夜の続き」に立つ
386▶ 美緒が、警察の車の脇で、毛布にくるまっている。咲が駆け寄って、抱きしめる。
387咲「よかった。よかった……」【新規】
388美緒「ママ。まだ、中にいる」【新規】
389咲「誰が」【新規】
390美緒「……ロボット」【新規】
391▶ 救助隊が到着する。先頭に、三浦。石田が建物を指す。
392石田「中に、まだいます。建物が、もちません」【新規】
393三浦「俺が行きます。……あの機械の判断に、従います」【新規】
394▶ 建物が、低く鳴る。咲が、美緒の肩を強く抱く。【間2秒】
8-3 廃整備棟・整備室/崩落/AIボーグ・真壁・三浦 ― 第1話の鏡。今度は、出口へ送る側に立つ
395▶ 梁が落ち始める。天井全体が、うねる。壁の鉄筋が、むき出しになる。【間3秒】
396▶ 真壁の脚が、瓦礫に挟まれる。
397真壁「行け。俺は、もういい」【新規】
398AIボーグ「外へ出たら、ご自分で。今は俺を見てください」【既存】(第1話1-2の運転手への台詞の再使用)
399真壁「どうして俺を」【新規】
400AIボーグ「現場に、いるからです」【新規】
401▶ AIボーグが、梁を肩で支える。真壁の脚を、指で引き抜く準備をする。三浦が、ライトを持って入ってくる。
402AIボーグ「右足が抜ければ出せる。そっち、ライト」【既存】(第1話1-2の再使用)
403▶ 三浦が、反射でライトを向け、固まる。
404三浦「……その言い方」【新規】
405AIボーグ「三浦さん。話は、あとで」【新規】
406AIボーグ「取れた! 三浦さん、出口まで!」【改】(元:陣「取れた! 三浦、出口まで!」。「さん」を足した)
407▶ 三浦が、真壁を担いで出口へ。梁がさらに落ちる。
408▶ 出口が、瓦礫にふさがれる。AIボーグが、左腕の保護板を開き、瓦礫と三浦たちの間に、体を入れる。【間4秒】
409三浦「出口が」【新規】
410AIボーグ「出口は、俺が作ります」【新規】
411▶ AIボーグの肩の装甲が割れる。火花。それでも、梁は落とさない。【間4秒】
412日向の声「生体反応、安定しています。出られます」【新規】
413AIボーグ「出ます」【新規】
414▶ 崩れる天井の中から、AIボーグが出てくる。
8-4 廃整備棟の前/夜明け前/AIボーグ・三浦・咲・美緒・石田 ― 引き。美緒が、咲に言う
415▶ 真壁が、石田に連行される。三浦が、膝をついて息を吐く。
416三浦「黒田さん」【新規】
417▶ AIボーグは、答えない。咲たちの方を見て、立ち止まる。少し離れた暗がり。
418▶ 暗がりで、AIボーグが、握った手を、ゆっくり開く(陣の癖)。咲の目が、見開かれる。【間3秒】
419▶ 美緒が、咲の腕の中から、AIボーグを見る。
420美緒「ママ。あれ、パパ」【新規】
421咲「……え」【新規】
422▶ 暗転。
第9話「ただいま」
- 目的:咲が真実を受け入れ、家族が再び触れる。
- 障害:咲の「二度目」の恐れ。日向の恐れ。陣の「まだ帰れる形じゃない」。
- 転換点:咲が「それでも、会わせてください」と言い、陣が力を落として、咲の手を包む。
- 引き(終わり):朝。「おはよう」「あと五分」。
- 前話からの受け:美緒の「ママ。あれ、パパ」(8-4)。
9-1 廃整備棟の前→警察の車の脇/夜明け/咲・美緒・日向 ― 咲が受け止められない。日向が、自分で話す
423▶ 夜明け前の空。警察の車の赤い光が、濡れた路面に揺れる。【間3秒】
424咲「やめなさい。そんなこと、言わないで」【新規】
425美緒「ほんとだよ。パパと二人だけって約束した。でも、ママにも、やってあげるって」【新規】
426咲「それ……何のこと」【新規】
427▶ 日向が、咲の前へ出る。
428日向「黒田さん。お話ししなければならないことが、あります」【新規】
429日向「ご主人の神経の記録から、AIで再構成したのが、あの機体です。三十一日目に、目を覚ましました」【新規】
430咲「どうして、一か月も」【新規】
431日向「怖かったんです。信号が崩れて、もう一度亡くしたと思わせてしまうのが」【改】(元:「期待させて、もう一度亡くしたと思わせることが、怖くて」)
432咲「……二回目に、なるんですか」【新規】
433日向「崩れる可能性は、ゼロではありません」【新規】
434咲「それでも」【新規】
435咲「会わせてください」【新規】
9-2 研究施設・家族相談室/朝/咲・美緒・AIボーグ・日向 ― 触れる。この物語の中心の場面
436▶ 三人分の椅子。AIボーグが、一人で立っている。咲と美緒が入ってくる。
437AIボーグ「……咲」【新規】
438咲「陣」【新規】
439▶ 咲が、洗濯かごの下から取り出した靴下を、差し出す。
440咲「これ、洗濯かごに入れっぱなし」【新規】
441AIボーグ「ごめん」【新規】
442咲「先に寝てて、って言うから。……ほんとに、寝ちゃった」【新規】
443AIボーグ「それで、よかった」【新規】
444咲「よくない。待ってたかった」【新規】
445AIボーグ「……待たせた」【新規】
446▶ AIボーグが、胸の装甲の内側から、小さな黄色い星を取り出し、美緒に差し出す。
447AIボーグ「落とし物です」【新規】
448美緒「パパが買った」【新規】
449AIボーグ「サービスエリアで。美緒が寝てる間に」【新規】
450美緒「なんで起こしてくれなかったの」【新規】
451AIボーグ「起こすと、怒るから」【新規】
452美緒「怒んないのに」【既存】(第1話1-4の再使用)
453AIボーグ「じゃあ、今度は起こす」【新規】
454▶ 咲が手を差し出す。日向を見る。
455日向「触れます。力は、落としてあります」【新規】
456▶ 金属の指が、靴ひもをほどく手つきで、咲の手を包む。
457AIボーグ「お、重たい」【既存】(第7話原本の陣の台詞の再使用)
458咲「何が」【新規】
459AIボーグ「こわいの、半分こ。大きいほうは、パパ」【既存】
460美緒「そこは、おまけ」【既存】
461咲「……ずるい。二人だけ、じゃなかったの」【新規】
462美緒「ママにも、やってあげるって言ってた」【新規】
463▶ AIボーグの目から、液がこぼれる。
464日向「組んで、いませんでした」【新規】
465咲「涙、みたい」【新規】
9-3 黒田家・玄関/数日後・夕方/咲・美緒・AIボーグ ― 帰宅
466▶ 玄関前で、AIボーグが立ち止まる。
467▶ 玄関の灯りが、一つだけ点いている。第1話の夜、咲が残した灯り。【間3秒】
468咲「ずっと、つけてあるの」【新規】
469AIボーグ「入っていい?」【既存】(原本の陣が子供部屋で言う台詞の再使用)
470咲「……ただいま、は?」【新規】
471AIボーグ「ただいま」【新規】
472咲「おかえり」【新規】
473▶ 食卓の空席。椅子の背の上着が、外される。
9-4 黒田家・居間/夜〜翌朝/咲・美緒・AIボーグ ― 動画。そして、朝
474▶ 夜。居間のテレビで、三人が、家族動画を見る。
475美緒の声(映像)「パパ、おはようって言って」【既存】(5-2の再使用)
476陣の声(映像)「……あと五分」【既存】(5-2の再使用)
477咲の声(映像)「いつも五分じゃん」【既存】(5-2の再使用)
478▶ ソファで眠る美緒。
479▶ 翌朝。ソファの美緒の前で、AIボーグがしゃがむ(目線を合わせる)。
480AIボーグ「美緒。おはよう」【新規】
481美緒「……あと五分」【新規】
482咲「いつも五分じゃん」【既存】(5-2の再使用)
483▶ ランドセルの黄色い星が、朝日に光る。
9-5 研究施設・記録室/同じ朝/日向 ― 日向の引き出し
484▶ 机の引き出し。赤い印の記録の隣に、新しい記録。「黒田陣」。
485▶ 日向がペンを取り、赤い印の欄に書く。「家族へ連絡済」。その下に、小さく、「面会:完了」。【間3秒】暗転。
伏線・長さ・推測の一覧
伏線の仕込みと回収の表
| 伏線 | 仕込み | 途中 | 回収 |
|---|
| 黄色い星 | 第1話 1-5(陣がサービスエリアで買った) | 第6話 6-2(路面に落ちる)/第7話 7-2(陣が拾う) | 第9話 9-2(美緒に返す。「じゃあ、今度は起こす」) |
| 「起こすと怒るでしょ」「怒んないのに」 | 第1話 1-5 | — | 第9話 9-2(美緒が同じ台詞を言い、陣が「今度は起こす」)、9-4(起こす) |
| 携帯・「了解。先に寝てて」 | 第1話 1-2、1-3、1-4(最後のメッセージ。咲は、本当に先に寝た) | 第5話 5-1(咲が携帯を開く。「……鳴らない」) | 第9話 9-2(咲「ほんとに、寝ちゃった」/陣「それで、よかった」「待たせた」) |
| 動画・「あと五分」 | 第1話 1-5(咲「動画は、ある」) | 第5話 5-2(陣が見る) | 第9話 9-4(三人で見て、朝に再現) |
| 靴下 | 第3話 3-2、3-6(咲が隠す) | — | 第9話 9-2(咲が差し出す) |
| 靴ひも | 第4話 4-3、4-4(切らずにほどく) | 第5話 5-4(真壁が見抜く) | 第7話 7-3、第8話 8-1(固定具を壊さず、ほどく)、第9話 9-2(咲の手を、ほどく手つきで包む) |
| 半分こ・「そこは、おまけ」 | 第3話 3-4(回想) | 第7話 7-4(美緒が確かめる) | 第9話 9-2(咲に言う) |
| 「帰ってきたら、ママにも」 | 第3話 3-4(陣「うん。帰ってきたら」) | — | 第9話 9-2(帰ってきて、ママにも、やる) |
| 涙・「そういう反応は、組んでいません」 | 第3話 3-3 | — | 第9話 9-2(液がこぼれる。「組んで、いませんでした」) |
| 日向の恐れ(二度亡くす) | 第1話 1-6(「……崩れないで」)、第2話 2-2、2-3(記録の机) | 第3話 3-5(陣が待ってほしいと言う)/第6話 6-2c(日向「私からご連絡します」) | 第9話 9-1(日向が自分の口で、咲に告げる) |
| 通信は音声だけ・「命令を書き込めない」 | 第3話 3-3 | 第4話 4-2b(日向は声しか出せない)、第7話 7-2、第8話 8-1 | 第8話 8-1(日向「あなたが決めてください」/陣「決めてます」) |
| 真壁「こっちは、まだ使える」(古い固定具) | 第5話 5-4 | — | 第7話 7-4(陣が自分から座る)、第8話 8-1(ほどく) |
| 「待って」 | 第3話 3-5(陣「待ってもらえますか」)/3-6(咲「ちょっと待って」) | — | 第9話 9-3(咲「……ただいま、は?」が、待たせたことへの答え) |
| 「入っていい?」 | 原本の第6話の台詞(子供部屋) | — | 第9話 9-3(玄関) |
| 「三浦、出口まで」 | 第1話 1-2(陣が三浦を押し出す) | — | 第8話 8-3(今度は、三浦が真壁を連れて出口へ) |
| 「外へ出たら、ご自分で。今は俺を見てください」 | 第1話 1-2(運転手) | — | 第8話 8-3(真壁) |
| 陣の癖「手を開く」 | 第2話 2-1b(「……癖です」)、原本の停電の夜(美緒が恐怖を手渡す) | 第5話 5-1(咲が目を細める)、第7話 7-1 | 第8話 8-4(咲の目が見開かれる)→第9話 9-1 |
| 「しゃがんで、聞く」(声が聞こえないとき) | 第1話 1-2(運転手の前にしゃがむ) | 第4話 4-3(少年の目線へかがむ) | 第5話 5-1(美緒「パパも、ああやってしゃがんでた」)、第9話 9-4(朝、美緒の前にしゃがむ) |
| 玄関の灯り | 第1話 1-4(咲が一つだけ残す) | — | 第9話 9-3(「ずっと、つけてあるの」) |
| 日向の引き出し(過去の被験者) | 第2話 2-3 | — | 第9話 9-5(「面会:完了」) |
長さの見積り(推測)
方法:見積り尺(秒)=台詞の文字数÷5.5(字/秒。間の少ない普通の会話より、やや遅い読み)+台詞1つにつき0.8秒(受け渡しの間)+ト書き(▶)1つにつき5秒(1〜2カット分)+【間N秒】の加算。文字数は、句読点・記号・長音の「…」を除いて数えた。すべて【推測】。実測の声(確定声で合成した尺)が出たら、必ず置き換える。
注意:最初の式(6字/秒・ト書き3.5秒)では、全話が2分前後に出た。ト書き1つは、実際は1〜2カットなので、5秒に直し、足りない話に場面を足した。その結果、どの話も3分を少し超える程度(下限寄り)。声と間の実測で、3分を割る話が出る可能性がある。
| 話 | 題 | 台詞文字数 | 台詞数(既存/改/新規) | ト書き数 | 間の加算 | 見積り尺 |
|---|
| 1 | 二十三時十八分 | 269 | 25(21/0/4) | 25 | 13秒 | 3:27 |
| 2 | 再起動 | 430 | 36(26/0/10) | 17 | 12秒 | 3:24 |
| 3 | 触れない手 | 404 | 33(28/0/5) | 17 | 5秒 | 3:10 |
| 4 | 最初の救助 | 303 | 35(18/0/17) | 21 | 13秒 | 3:21 |
| 5 | パパみたい | 345 | 37(21/0/16) | 19 | 12秒 | 3:19 |
| 6 | 通学路 | 358 | 32(13/0/19) | 22 | 11秒 | 3:32 |
| 7 | 整備棟 | 456 | 37(1/2/34) | 16 | 11秒 | 3:24 |
| 8 | 崩れる | 292 | 30(2/1/27) | 20 | 23秒 | 3:20 |
| 9 | ただいま | 472 | 46(9/1/36) | 17 | 9秒 | 3:37 |
| 合計 | | 3329 | 311 | 174 | 109秒 | 0:30:34 |
原本の目安(第1話15分=252カット)との比較:9話合計の見積りは約30分。原本の15分に、新規の第7〜9話を足した量に近い。
【推測】で足した設定の一覧(関さんの判定が要る)
1. 真壁は、神経保存プロジェクトの元の開発責任者で、研究所から外された(第5話5-4)。動機=「現場の判断」を複製して、他の機械に入れること(第7話7-4)。
2. 日向には、過去に家族へ知らせて、信号が崩れ、家族を二度悲しませた被験者がいる(第2話2-3の赤い印)。
3. 石田は、所轄の刑事とした(原本では、役名と年代(40代)のみで、台詞も職もない)。
4. 陣の最後の返信「了解。先に寝てて」は、咲の「今日、先に寝てていい?」への返事とした(第1話)。咲は本当に先に寝た。玄関の灯りだけ、残した(第1話1-4)。
5. 陣の癖=「握った手を、ゆっくり開く」(原本の停電の夜に、陣が手を開く場面がある)。咲が見覚えを持つ(第5・7・8話)。
6. 陣は、胸の装甲の内側に、拾った星をしまう(第7話7-2)。
7. 三浦は、救助隊の一員として、整備棟の救助に来る(第8話8-2)。
8. 卵のテスト(第5話5-3)、「人形を壊さずに抱く」と「夢」(第3話3-4)。
9. 咲が病院勤務を続けている(原本の陣の台詞「病院のお仕事」に依拠)。第6話6-2bで、美緒と夕ごはんの約束をしていた。
10. 研究施設から「数日後」に、外出(帰宅)が許される(第9話9-3)。
【改】(原文を直した台詞)の一覧
| 場所 | 改めた台詞 | 元の台詞 |
|---|
| 第7話 7-3 | AIボーグ「救助をする人です」 | 日向「AIボーグ。救助をする人です」(原本S15) |
| 第7話 7-4 | 美緒「こわいの、半分こ。大きいほうは、だれ?」 | 陣「こわいの、半分こ。大きいほうは、パパ」 |
| 第8話 8-3 | AIボーグ「取れた! 三浦さん、出口まで!」 | 陣「取れた! 三浦、出口まで!」 |
| 第9話 9-1 | 日向「怖かったんです。信号が崩れて、もう一度亡くしたと思わせてしまうのが」 | 日向「これまで再構成した信号は、数分で崩れていました。期待させて、もう一度亡くしたと思わせることが、怖くて」 |
【既存】と書いた台詞のうち、別の話・別の人で再び使ったもの(意味を変えずに、わざと繰り返した):第4話4-5「休みますか」(第3話の再使用)/第7話7-4「パパみたい」(第5話)/第8話8-3「外へ出たら、ご自分で。今は俺を見てください」「右足が抜ければ出せる。そっち、ライト」(第1話)/第9話9-2「怒んないのに」(第1話)、「お、重たい」「こわいの、半分こ。大きいほうは、パパ」「そこは、おまけ」(第3話の夢・原本)/9-3「入っていい?」(原本の停電の夜)/9-4「パパ、おはようって言って」「……あと五分」「いつも五分じゃん」(第5話)。
点検記録(書き終えたあとの見直しと、直したこと)
方法:全9話を通して読み直し、次の8点を確認した。見つけた問題と、直した内容を書く。
1. 話ごとの山:各話の「転換点」を確認した。第6話が弱かった(会う覚悟→連れ去り→出発、だけだった)。→ 6-2c「誰が伝えるか」を足し、日向(私から連絡する)と陣(俺が言う)の対立を作った。第2話は、告知のあとに山を残すため、2-1b「癖」と2-4「夢」を足した。
2. 各話の引き:第1話=金属の指/第2話=夢の重なり/第3話=「待って」/第4話=取材のレンズ/第5話=「自分で来てもらう」/第6話=「娘を迎えに行きます」/第7話=ランプが赤/第8話=「ママ。あれ、パパ」/第9話=朝と日向の引き出し。第2話の引きが、見出しの記述と食い違っていたので、直した。
3. 前話の受け:全話の冒頭が、前話の最後を受けているか確認した。第3話3-6が「同じ朝」の時間軸にずれていた(3-2と3-6が同じ朝なのに、間に夜を挟む)→ 見出しに「3-2と同じ朝」と明記した。
4. 伏線の回収:表の番号が、場面を足したあとにずれていた(第1話1-4→1-5、第5話5-3→5-4)→ すべて直した。回収していない伏線は、次の2つ:運転手の「妻に……電話を」は、第2話の「二人とも助かりました」で受けただけで、回収が弱い(関さんの判定点)。第3話の「通信は音声だけ」は、回収済み。
5. 誰が何をいつ知るか:矛盾を2つ直した。(a) 咲が「先に寝てて」と返された時点で本当に寝ていた→ 9-2の台詞「寝れるわけないでしょう」と矛盾するため、「ほんとに、寝ちゃった」「よくない。待ってたかった」に直した。(b) 真壁が陣の死を知った経路が「映像」では不自然→「名簿の記録」にした。
6. 台詞の不自然さ:3-2の「家で、待ってる人がいるので」は、場面の流れから浮いていた→ 6-2b(約束の日の電話の直前)へ移し、「娘と、夕ごはんの約束なので」に直した。1-2の「咲さんから。『今日も遅い?』」は、返事「了解。先に寝てて」と噛み合わなかった→「今日、先に寝てていい?」に直した。
7. 長さ:上の注意に書いたとおり。最初は全話2分前後だった。式を直し、場面を足して、3:10〜3:37にした。下限寄りなので、実測で再確認が要る。
8. 確定台詞の改変の印:【改】は4つ、再使用は上の一覧。すべて印が付いている。【既存】と書いた139件の台詞を、原本の全台詞(local_scene_plan_v1.json の dialogue_text、252カット)と機械で1行ずつ照合した。1件(第3話3-3の日向「通信は音声だけです…」)が、原文の後半を欠いて短縮されていたので、原文のとおりに戻した。残りの138件は一字一句一致。
【未確認】元の台本(人が書いた原稿)。原本は、台帳(第1話252カット)のみ。